日誌

パラリンピック最終日

多くの人が様々な思いを胸に抱きながら、パラリンピックも最終日を迎えました。
私はといえば、一足早く帰国し、TVで観戦しています。

【マスコミの報道が増えた】
 パラリンピックについては、これまでほとんど映像を見ることができませんでしたが、リオ大会位から報道も増えてきました。今回は時差もなかったこともあり、オリンピックに比べれば少ないものの、Liveで見ることができた点はかなり画期的なことだったと思います。
 ただ、視聴率はやはりそう高くはないようです。障害者のスポーツに対して馴染みがないということがあるかもしれません(端的に言えば人気がない、面白さが伝わっていない)。その意味で、最近多くみられるようになってきた「障害者スポーツの体験会」は意味があるかもしれません。
 また何より、障害のある人・子どもと一緒にスポーツを楽しむ体験(インクルーシブ体育・スポーツ)により、自然と興味もわくようになるということもあるのではないかと思うのですが、残念ながら日本ではまだ「一緒に体育を行う体験」をした人は少ないということもあると思います。
 一方、報道により、様々な障害のある人々が、スポーツを楽しむことができるという認識が広がれば、身近な障害のある人々に対する”様々な思い込み(主にネガティブなできるはずがないという考え)"も変わり、これまで制約の多かった生活も広がりをみせるかもしれません。つまり報道と観戦の広がりは、障害児者を含めた多くの人々の体育・スポーツ参加と相互作用の関係にあるわけです。
 その意味で、パラリンピックの視聴率は、インクルーシブな社会形成の一つのバロメータといってもいいのかもしれませんね。

【身近に感じたピョンチャンパラの課題】
 今回、いくつかの種目・時間帯で観戦チケットが手に入らず、感染をあきらめざるを得ないケースがありました。
韓国の発表では「史上最高の切符販売率」だったといわれていますが、チケットが手に入らなかった競技でも、空席が目立つ会場もありました。
・海外割り当て分が少なかったことと、販売作業の遅れ
・切符の企業や学校に配って(買い取りを含む)しまった
などが指摘されていますが、実は同じことが1998のパラリンピック長野大会の時も、指摘されていました。報道により盛り上がった人々が、切符を購入しようと思っても売り切れで手に入らなかったのに、テレビでは空席が目立つ会場が映し出されて、批判が起こったのでした、、。
 韓国の関係者もその点は、今後の課題である(聞き取り)と、認めていました。

 ロンドン大会で、実質的に会場が埋め尽くされていたことを考えると、「社会の成熟度」とも関係するのでしょうか。日本にとっても今後の課題であることは間違いないでしょう。

韓国チームが出る人気のカードは売り切れもあったが、日程によっては、会場の切符売り場で当日券が買えるものも。


子どもたちで埋め尽くされる会場。学校単位で教員に引率されて見に来ている。
Education Programとして、これまでも子どもの招待はあったが、今回はケタ違いの多さだ。