実施報告

13回北海道障害者スポーツ・研究開発研究会実施報告


 

日時 平成251214()  10001700

場所 あ・りーさだの杜  〒068-0751 夕張市沼ノ沢35番地

 

主催 北海道障害者スポーツ・健康開発研究会

共催 NPO法人 あ・りーさだ

後援 北海道障害者スポーツ振興協会

    北海道教育大学 特別支援教育プロジェクト

13回目となりました本研究会ですが、今年は夕張市にある「あ・りーさだの杜」で開催されました。寒気の影響のため、雪の多い状況でしたが30名強の参加者が集まり、さまざまな報告・体験を通して充実した時間を過ごすことができました。


基調報告

1、あ・りーさだの杜の設立経緯について( NPO法人あ・りーさだ 正木英之氏)

会場となった「あ・りーさだの杜」の設立経緯、今後の展望や課題について報告いただきました。

障害のある方がスポーツを楽しめる場所を作り上げていくため、どのように進めてきたのか、またそのような事業を展開していくためにどのようなことを考えているかなどのお話を聞くことができました。

  

 
基調報告 正木氏                             基調報告 猪飼氏


2、車いすでキリマンジャロ (猪飼嘉司 いかいよしつぐ氏)

車いすでキリマンジャロ登頂に成功した猪飼氏の登頂に至るまでの経緯を報告いただきました。

テレビ取材の映像を交えながら、自身の考えと周囲との食い違いによる悔しさや現地サポーターの本氏の意向を汲んださりげない配慮、さまざまな葛藤がありながらもそれを乗り越えてきた経験など、本人からしか聞けない貴重な生のお話を聞くことができました。ぜひ多くの方に聞いてもらいたい素晴らしいものでした。


研究・実践報告


1、障害者スポーツの概念に関する再検討-障害者スポーツの発展のために-(釧路養護学校 清野宏樹氏)

障害者スポーツの歴史を振り返りながら、その概念についてどのようにとらえていけばよいのか、再検討したものについて報告いただきました。多くの知識を盛り込んでいただき、大変勉強になりました。


   

 

清野氏                                芳賀氏

2、福祉村のスポーツ活動 (北海道福祉村 芳賀恵美氏)

ビデオ映像を通して、福祉村で行われているスポーツ活動について報告いただきました。実際に行われている活動の様子や工夫を見ることができ、参考とできる部分もたくさんありました。



 

3、ヨガ活動の実践 (ハンディキャップヨガ北海道 田中直子氏)

障害がある方のヨガについて、その内容と北海道の状況について報告いただきました。本人だけでなく、家族なども一緒に楽しむことができるものとして、非常に興味深い内容でした。ワークショップにおいて体験会も実施しました。

 

 田中氏                                 加藤氏

4、模倣を活かした運動指導を目指して-知的障害と自閉症を併せもつ生徒を対象に-

(北海道教育大学付属函館特別支援学校 加藤琢也氏)

一般的に模倣による学習は苦手とされている障害の生徒を対象に、実は苦手だけれどできるのではないか?という自身の経験の中で感じていたことについて検証することを目的とした実験について報告いただきました。



 

5、重症心身障害者の日常における身体活動をとらえる試み-上肢に注目して-

(札幌あゆみの園 近藤尚也氏)

まだまだ日常の身体活動に関するデータの少ない重度心身障害者に対して、実践現場の中でその情報を得ることができるか、一般的な小型活動量計を利用したデータ収集の試みについて報告いただきました。



 

6、子育て支援広場「キンダーぷらっつ」の試み-相互作用と活動量の分析から-

(北海道教育大学 安井友康氏)

子どもたちへ遊びの場を提供し、参加者の関わりの中から、その関わり方の変化や活動の場の提供による普段との活動量の変化等について報告いただきました。子ども同士の遊びを通した変化についてみなさん興味深く聞いていました。



 

7、電動車椅子サッカー北海道での取り組みの紹介(社会福祉法人クピドフェア 大槻彰平氏)

北海道における電動車椅子サッカーの現状や全国大会の様子について報告いただきました。電動車椅子サッカーの醍醐味や広い北海道で選手を集め練習すること、支援者の確保に関することなどの課題についてお話いただきました。

   

 

大槻氏                             鈴木氏

8、わくわく沖縄旅行-ボランティア支援の視点から-(北海道教育大学札幌校 鈴木秀和氏)

障害者の沖縄旅行のボランティアを通じて、旅行支援の実際や楽しさ、課題、参加者との関係構築のあり方について報告いただきました。若さあふれながらも、なるほどと感じるプレゼンでした。



 

ワークショップ

まず、研究・実践報告を頂いた「ハンディキャップヨガ」について実際に参加者で体験をしました。体をゆっくりと伸ばしながら身体を意識化し、また、他者とのコミュニケーションを交えながらみなさん楽しく体験していました。次にフライングディスク競技、ディスクゴルフについてチームを組んで体験しました。初めて体験される方、その楽しさにはまる方もいました。その後、終了時間までさまざまな用具を体験し、それぞれ色々な物を楽しみました。

 

ヨガ体験                               ディスクゴルフ

 

                         さまざまなスポーツ・用具体験




 

意見交流会

 最後に全体を通しての感想などをいただきながら、意見を交え、盛況のうちに終了を迎えることができました。



 

研究会終了後、会場にてオプションの懇親会も行われました。参加者の中でさらに濃密にさまざまな話に花が咲き、時間を忘れて楽しんでいました。今後の企画に参考となるようなお話も・・・。

今回も非常に興味深い内容が並び、1日では足りないくらい充実した時間を送ることができたと思います。ご参加いただいた皆様、運営にご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。

次回また、多くの方にご参加いただけますようお待ちしております!!

(報告:近藤尚也)