研究計画

へき地などの社会資源の少ない地域において特別支援教育を推進するにあたって必要なのは、その地域特有の課題の抽出と地域のストレングスを見出し、活かしていくことであると考えられます。

それゆえ、釧路、根室管内の特別支援教育に関わる基礎的情報を収集し、地域の特性や課題を明らかにし、特別支援教育に関わる新たな社会資源創出の働きかけを、行政、地域の学校教員、保護者、関係者の協力を得て試みています。

このような過程を通し、既存の関係組織の再デザイン化による資源化、特別支援教育に関わる実践共同体の創出、そしてそれらのネットワーク化によって「地域でできることは、地域で行う」という観点を確立し、特別支援教育に向けた学校改善・授業改善、実を伴った学校間、関係機関の連携システムの構築など、専門家に過度に依存しない、地域の人たちの支援によって推進される特別支援教育を実践的に検証します。

「地域サポート」部門は、釧路校教員4名と附属特別支援学校が担当しています。


研究Ⅰ 
釧路・根室管内の特別支援教育の実態分析と推進の方向性についての研究

2010年度に実施した、釧路・根室管内小中学校の特別支援教育コーディネーターを対象とした質問紙調査、および各校から提出していただいた「学校経営計画」の分析を通して、本地域の特別支援教育の特性を明らかにします。


研究Ⅱ へき地における特別支援教育推進のためのシステム構想

研究Ⅰを踏まえ、特に根室管内を対象として、新たな特別支援教育システムを構想するための試案を作成します。 


研究Ⅲ 特別支援教育における養護教諭との協働について

2010年度に実施した、釧路・根室管内小中学校の養護教諭を対象とした質問紙調査の分析を行い、現状と課題を明らかにするとともに、養護教諭の特別支援教育への参画のあり方ついて検討します。