Q.将来、特別支援の先生になりたいと思っています。高校生のうちに受験勉強以外でやっておくべき事は何かありますか?
A. 特別支援教育の先生になるための専門的な勉強は大学に入学してから始まりますが、高校生のうちに大事にしてほしいことは2つあります。
1つめは、自分が好きな教科で学ぶ楽しさ、ワクワクする経験をすることです。国語、英語、数学、社会、理科、図画工作、家庭科、体育など、教科は何でも構いません。特別支援教育の対象になる子ども達は、障害に起因する学びにくさや、失敗経験からくる苦手意識を持っていることが多くあります。そんな子ども達に学ぶ楽しさを伝える先生の存在はとても大切です。好きな教科のさらに知りたい部分を深堀りして調べたり、関連する本を読んでみる。また学校で自分が得意な教科を他の人に教えてみたり、分からないと言っている友達に助言してみるなど、自分とは異なる理解の仕方をする人を少しサポートしてみるのも良い経験になるでしょう。
2つめは、周りの人に対して自分で壁を作らず、偏見や先入観なく人を見る目を育てることです。様々なタイプの人と話したり、一緒に活動できるような柔軟な感覚を磨くことです。これには、障害のある人だけでなく、外国人や異なる言語や文化をもって暮らす人、性的マイノリティ(LGBT等)、自分とは年齢が異なる人も含まれます。人間の多様性を頭で理解するだけでなく、自分の身の回りにいる多様な人々を理解し、一緒に生きていく感覚は、特別支援の先生になるために重要な要素です
特別支援教育の対象になる子どもや保護者は、個性的な人、ユニークな人がたくさんいます。人がもつ個性を「変だ」と距離を置くのではなく、「面白い人だな」「個性があって素敵だな」と思えるかどうか。障害のある人が書いた自伝や本を読むことも勉強になるでしょう。