調査報告:知的障害特別支援学校寄宿舎における余暇支援
北海道教育大学旭川校 特別支援教育分野 萩原研究室(担当:今地力也、萩原拓)


研究概要

 すべての人々にとって、「余暇」はそのQOL(生活の質)の維持と向上のために必要なものである。特に障害のある人々にとっては、将来の安定した社会的生活・適応のために必要ならば早期からの支援が望ましい。特別支援教育に関連する文献および研究からは、余暇支援の重要性は十分に認識されていると伺えるが、その支援実態はいまだ明確にされているとは言えない。本研究では、障害のある人々への余暇支援の実態を明らかにし、今後の課題点について考察していくことの一環として、全国の知的障害特別支援学校寄宿舎に対しアンケート調査を行った。調査項目は大きく分けて、「寄宿舎で過ごす児童生徒の余暇の現状」、「寄宿舎における余暇支援のニーズ」、「余暇に関する学校、家庭との連携」の3点である。



アンケート回収率

 全調査対象(121 カ所)のうち回収率は82.64%(100 カ所)であった。(数値は小数第3 位で四捨五入、以下同様)また、小学部を併置している特別支援学校について、調査対象のうち85.87%(79 カ所)が、高等部のみ設置している特別支援学校について、調査対象のうち72.41%(21 カ所)が回答した。
また、回答者の男女比について、男性が35.72%(329 名)、女性が63.19%(582 名)、無回答が1.09%(10名)であった。回答者の年齢と勤務年数については、平均年齢は42.47 歳(有効回答率97.94%)であり、平均勤務年数は15.17 年(有効回答率97.72%)であった。



謝辞

 今回の研究調査にあたって、貴重な時間を割いて協力してくださった、全国の特別支援学校寄宿舎の職員の方々に心より感謝いたします。
調査結果1:普段の自由時間の過ごし方
 知的障害特別支援学校寄宿舎(以下、寄宿舎)における子どもの普段の自由時間の過ごし方の項目と割合について、10%以上の活動を示した(図1-1)。活動の多い順に、テレビ視聴(92%)、読書(73%)、音楽鑑賞(71%)、ゲーム(68%)、DVD 視聴(67%)、スポーツ(64%)、カードゲーム(51%)、ボール遊び(45%)、お絵描き(43%)ボードゲーム(35%)、散歩(33%)、カラオケ(32%)、PC(29%)、折り紙・パズル(28%)、遊具(26%)、おもちゃ(25%)、ダンス(24%)、学習(23%)、工作(15%)、自転車・手芸(14%)、買い物(13%)、塗り絵(12%)、体育館(10%)。


図1−1 普段の自由時間の過ごし方
調査結果1a:小学部を併置している寄宿舎
小学部を併置している寄宿舎における児童生徒の普段の自由時間の過ごし方の項目と割合については、以下のとおりである(図1-2a)。活動の多い順に、テレビ視聴(89.87%)、ゲーム(74.68%)、読書(73.42%)、音楽鑑賞(69.62%)、DVD視聴(69.62%)、スポーツ(59.49%)、ボール遊び(51.90%)、お絵描き(43.04%)、カードゲーム(43.04%)、散歩(39.24%)、遊具(32.91%)、カラオケ(32.91%)、おもちゃ(31.65%)、ボードゲーム(31.65%)、折り紙(30.38%)、パズル(29.11%)、学習(21.52%)、ビーズ(20.25%)、塗り絵(20.25%)、自転車(17.72%)、工作(15.19%)、手芸(11.39%)。また、該当数が10%以下の項目については、次のとおりである。ごっこ遊び・外遊び・体育館(8.86%)、ランニング(7.59%)、おやつづくり・携帯・体操・楽器(5.06%)、あみもの・ままごと・手紙(3.80%)、粘土・なわとび・ウォーキング・外食(2.53%)、外出・切り絵・トレーニング(1.27%)。


図1−2a 児童生徒が自由時間にしている活動(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果1b:高等部のみを設置している寄宿舎
 高等部のみを設置している寄宿舎における児童生徒の普段の自由時間の過ごし方の項目と割合については、以下のとおりである(図1-2b)。活動の多い順にテレビ視聴(100%)、スポーツ・カードゲーム(80.95%)、読書(71.43%)、ゲーム(61.90%)、音楽鑑賞(57.14%)、ボードゲーム(47.62%)、お絵描き(42.86%)、ダンス(33.33%)、カラオケ(28.57%)、学習(28.57%)、PC(23.81%)、買い物(23.81%)、手芸(23.81%)、パズル(23.81%)、塗り絵(23.81%)、ボール遊び(19.05%)、ビーズ(19.05%)、折り紙(14.29%)、工作(14.29%)、体育館(14.29%)。また、該当数が10%以下の項目は次の通りである。筋トレ・散歩・ランニング・筋トレ・外遊び・楽器(9.52%)、遊具・自転車・ごっこ遊び・手紙・体操・外食・外出・おやつづくり・エアロバイク・草むしり・バンド活動・よさこい・ままごと・体操(4.76%)。


図1−2b 児童生徒が自由時間にしている活動(高等部のみを設置している寄宿舎)
調査結果2:職員が自由時間に提供する活動
 寄宿舎において職員が自由時間に児童生徒に提供する活動の項目と割合について、10%以上の活動を示した(図2-1)。活動の多い順に、スポーツ(79%)、カードゲーム(50%)、散歩(49%)、調理(46%)、ボードゲーム、カラオケ(37%)、DVD 鑑賞(36%)、体育館遊び(29%)、買い物・外出(26%)、お絵描き(25%)、おもちゃ(24%)、折り紙工作(23%)、手芸(21%)、ダンス(20%)、楽器演奏、ウォーキング(14%)、絵本、パズル、ごっこ遊び(13%)、外食(12%)、自転車(11%)、音楽鑑賞、ビーズ、ストレッチ・体操、トレーニング(10%)。


図2−1 自由時間に職員が提供する活動
調査結果2a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎における、職員が自由時間に児童生徒に提供する活動の項目と割合について、以下のとおりである(図3-5)。活動の多い順に、スポーツ(81.01%)、散歩・散策(54.43%)、カードゲーム(49.37%)、調理(46.84%)、カラオケ(34.18%)、ボードゲーム(31.65%)、おもちゃ(27.85%)、買い物(26.58%)、DVD視聴(25.32%)、お絵描き(25.32%)、体育館(24.05%)、外出(24.05%)、折り紙(22.78%)、工作(18.99%)、手芸(17.72%)、絵本(16.46%)、パズル(15.19%)、ウォーキング(15.19%)、鬼ごっこ(15.19%)、自転車(12.66%)、音楽鑑賞(12.66%)、ビーズ(12.66%)、楽器演奏(11.39%)。また、該当数が10%以下の項目については、次の通りである。外食・トレーニング(8.86%)、パソコン・ストレッチ・パソコン・お茶会(7.59%)、農耕(6.33%)、宝探し・しっぽとり(3.80%)、習字・輪投げ・劇・だるまさんがころんだ・山登り・すごろく(2.53%)、カフェ・椅子とり・たこあげ・雪遊び・フラワーアレンジメント・昔の遊び(割り箸鉄砲)・夜間の学校探検・スヌーズレン・けんけんぱ・ウォークラリー・椅子とりゲーム・釣り・水遊び・魚釣りゲーム・駄菓子屋・ハンカチ落とし・ストラックアウト・ペタンク・茶道(1.27%)。


図2−2a 自由時間に職員が提供する活動(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果2b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部を設置している寄宿舎における自由時間に職員が児童生徒に提供する活動の項目と割合については以下のとおりである(図2-2b)。活動は多い順に、DVD 視聴(76.19%)、スポーツ(71.43%)、ボードゲーム(57.14%)、カードゲーム(52.38%)、体育館、カラオケ(47.62%)、調理(42.86%)、外出、手芸(33.33%)、工作(28.57%)、散歩、ダンス、買い物、折り紙、お絵描き、楽器演奏(23.81%)、ストレッチ、トレーニング(19.05%)。また、該当数が10%以下の項目については、次の通りである。習字・おもちゃ・パソコン・ウォーキング(9.52%)、ごっこ遊び・自転車・パズル・農耕(4.76%)


図2−2b 自由時間に職員が提供する活動(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果3−1:自由時間に提供する活動の目的
 本質問の回答には各寄宿舎内で違いがみられたので、寄宿舎ではなく個人の集計結果とした。
 本調査の対象者全921 名のうち、提供する活動に目的があると回答したのは86.21%%(794 名)であった。また、提供する活動に目的はないと回答したのは1.19%(11 名)、無回答が3.37%(31 名)であった。自由時間に提供する活動の目的について、10%以上のものを示した(図3-1)。提供目的は多い順に、人との交流/親睦/コミュニケーション(30.10%)、興味関心の幅を広げる/遊びの紹介(26.32%)、活動を楽しむ(15.24%)、運動不足解消/体力作り(14.23%)、社会性・協調性を身につける(9.07%)、ルール・マナーを身につける(8.69%)、自由時間の充実(8.06%)、気分転換/ストレス発散(7.31%)、卒後の余暇につなげる(6.80%)、社会体験/生活スキルを身につける(4.91%)、子どもの実態把握/指導員との関係作り(4.66%)、心の安定/リラックス(4.16%)、自主性を育む(3.78%)、学習へのつながり(3.40%)。


図3−1 自由時間に提供する活動の目的
調査結果3−1a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎における本調査の対象者全712 名のうち、提供する活動に目的があると回答したのは87.36%(622 名)であった。また、提供する活動に目的はないと回答したのは0.14%(9名)、無回答が3.59%(22 名)であった。提供する活動の目的の項目とその割合については、以下の図のとおりである(図3-1a)。提供目的は多い順に、人との交流・親睦・コミュニケーション(29.58%)、興味関心の幅を広げる・遊びの紹介(26.37%)、活動を楽しむ(17.04%)、運動不足解消・体力づくり(14.15%)、ルール・マナーを身につける(10.13%)、社会性・協調性を身につける(9.97%)、自由時間の充実(7.07%)、卒後の余暇につなげる(6.10%)、気分転換・ストレス発散(5.47%)、子どもの実態把握・指導員との関係づくり(4.82%)、社会体験・生活スキルを身につける、心の安定・リラックス(4.50%)、子どもの好きな活動だから・自己実現、学習へのつながり(4.02%)、自主性を育む(3.54%)、成功体験・達成感(3.38%)。また、該当数が3%以下の項目については、次のとおりである。季節感(2.25%)、一人で遊べるように(1.77%)、技術の提供(1.45%)役割を持たせる・生活に変化を(1.33%)、安全面(0.96%)、交通機関(0.64%)、就業体験先からの要望・部活体験・生きる力・教養を深める・指導員の資質を高める・対人認識能力・感情を育てる・長年続いているので(0.16%)。


図3−1a 自由時間に提供する活動の目的(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果3-1b:高等部のみを設置している寄宿舎
 高等部のみを設置している寄宿舎における本調査の対象者全209 名のうち、提供する活動に目的があると回答したのは82.30%(172 名)であった。また、提供する活動に目的はないと回答したのは0.1%(2 名)無回答は0.43%(9 名)であった。提供する活動の目的の項目とその割合については、以下の図のとおりである(図3-1b)。提供目的は多い順に、人との交流・親睦・コミュニケーション(31.98%)、興味関心の幅を広げる・遊びの紹介(26.16%)、運動不足解消・体力づくり(14.53%)、気分転換・ストレス発散(13.95%)、自由時間の充実(11.63%)、卒後の余暇につなげる(9.3%)、活動を楽しむ(8.72%)、子どもの好きな活動だから・自己実現(7.56%)、社会体験・生活スキルを身につける(6.4%)、社会性・協調性を身につける(5.23%)、子どもの実態把握・指導員との関係づくり(4.07%)。また、該当数が3%以下の項目は次のとおりである。リラックスや心の安定(2.91%)、自己理解(2.33%)、学習へのつながり(1.16%)、一人で遊べるように・成功体験や達成感・感情を育てる・季節感(0.58%)。


図3−1b 自由時間に提供する活動の目的(高等部のみを設置している寄宿舎)
調査結果3−2:自由時間に活動を提供しない理由
 本質問は、個人の集計結果とした。
 本調査の対象者921 名のうち、自由時間に活動を提供しないと回答したのは85 名(9.23%)であった。自由時間に活動を提供しない理由として、10%以上のものを示した。提供しない理由は多い順に、子どもが好きに過ごしている、職員不足(29.41%)、時間や日課の関係(24.71%)、障害の多様化・重度化(8.24%)、ゆっくり過ごしてほしい、自主性の尊重(5.88%)。


図3−2 自由時間に活動を提供しない理由
調査結果3-2a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎において、自由時間に活動を提供していないと回答したのは8.29%(59名)であった。自由時間に活動を提供しない理由の項目とその割合は以下の図の通りである。(図3-2a)提供しない理由は多い順に、子どもが好きに過ごしている、時間や日課の関係、職員不足(27.12%)、ゆっくり過ごしてもらいたい、自主性の尊重、障害の多様化・重度化(8.47%)、健康・安全面の重視(3.39%)。また、該当数が3%以下の項目は、次のとおりである。個別の活動を重視しているため・研究不足・今のところ必要性がない(1.75%)。


図3−2a 自由時間に活動を提供しない理由(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果3-2b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎において、自由時間に活動を提供していないと回答したのは12.44%(26 名)であった。自由時間に活動を提供しない理由の項目とその割合は以下の図の通りである。
(図3-2b)提供しない理由は多い順に、職員不足、子どもが好きに過ごしている(34.62%)、時間や日課の関係上(19.23%)、障害の多様化・重度の子が多い(7.69%)、強引に協調性を育てるべきでない、自己認知、自己解決を目指すため(3.85%)。


図3−2b 自由時間に活動を提供しない理由(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果4:子どもが寄宿舎で余暇を過ごすニーズはあるか
 本質問の回答には各寄宿舎内で違いがみられたので、寄宿舎ではなく個人の集計結果とした。
本調査の対象者全921 名のうち、必要性はあると回答したのは97.83%(901 名)であった。また、必要性はないと回答したのは0.11%(1 名)、無回答が2.06%(19 名)であった。必要性があるという回答について、3%以上であった理由の項目と割合を示した(図4-1)。理由の多い順に、幅を広げる・経験が出来る(15.09%)、卒後の生活を考えて(12.32%)、コミュニケーション・交流(12.1%)、気持ちの安定・リラックス(10.99%)、ストレス解消・リフレッシュ(10.1%)心身の充実・充実した生活(8.1%)、社会性・協調性を身につけられる(5.89%)、一人でも何かをして過ごせるように(5.66%)、楽しみ・励みになってほしい・メリハリ(4.44%)、人間として当然あるもの(4.00%)、自主性の育成(3.55%)、時間の使い方の理解(3.11%)、ルール・マナーを身につけられる(3.00%)。


図4−1 寄宿舎で余暇を過ごす必要性がある理由
調査結果4a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎において、子どもが寄宿舎で余暇を過ごすニーズをついて、「必要性がある」が695 名(97.61%)、「必要性がない」が1 名(0.14%)無回答が16 名(2.25%)であった。
必要性があるという回答について、3%以上であった理由の項目と割合を示した(図4-2a)。理由の多い順に、幅を広げる・経験ができる(16.83%)、卒後の生活を考えると(12.37%)、気持ちの安定・心を落ち着ける(11.08%)、コミュニケーション・交流(10.22%)、心身の充実・充実した生活(8.35%)、ストレス解消・リフレッシュ(7.19%)、社会性・協調性(6.91%)、一人でも何かをして過ごせるよう(6.04%)、楽しみや励みになってほしい(4.89%)、人間として当然あるもの(4.32%)。また、該当数が3%以下の項目は次のとおりである。自由に使える時間(1.87%)、働く意欲(1.29%)、自立のため(1.01%)、自分自身の向上(0.58%)、自己実現の場・自信になる(0.43%)、ルール・マナー(0.36%)何らかの働きかけが必要・キャリア教育・社会参加のため(0.14%)。


図4−2a 寄宿舎で余暇を過ごす必要性がある理由(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果4b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎において子どもが寄宿舎で余暇を過ごすニーズをついて、「必要性がある」が206 名(98.56%)、「必要性がない」が0 名(0%)無回答が3 名(1.44%)であった。必要性があるという回答について、3%以上であった理由の項目と割合を示した(図3-15)。理由の多い順に、ストレス解消・リフレッシュ(19.9%)、コミュニケーション・交流(18.45%)、卒後の生活を考えると(12.14%)、幅を広げる・経験ができる(9.22%)、心身の充実・充実した生活(7.28%)、一人でも何かをして過ごせるよう(4.37%)、働く意欲(3.88%)。また、該当数が3%以下の項目は次のとおりである。楽しみや励みになってほしい・時間の使い方・人間として当然あるもの(2.91%)、社会性・協調性(2.43%)、自主性が育つ(1.46%)、ルール・マナー(0.97%)、負担になる場合もあり注意(0.49%)。


図4−2b 寄宿舎で余暇を過ごす必要性がある理由(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果5:将来の生活を想定した取り組み
 卒業後のグループホームや一人暮らしでの余暇を想定した取り組みについて、項目とその割合は以下の通りである(図5-1)。取り組みは多い順に、興味関心を拡げる活動(64%)、外出/買い物(41%)、調理実習(36%)、マナー・ルールの習得(32%)、生活実習室の利用(31%)、他者との交流/コミュニケーション(25%)、生活習慣の形成(18%)、スポーツ(16%)、楽しめる活動(11%)、地域交流(3%)、学習(2%)。


図5−1 卒業後の生活を想定した取り組み
調査結果5a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎における卒業後のグループホームや一人暮らしでの余暇を想定した取り組みについて、項目とその割合は以下の通りである(図5-2a)。取り組みは多い順に、興味関心を拡げる活動(62.03%)、調理実習(39.24%)、外出/買い物(36.71%)、生活実習室の利用(35.44%)、マナー・ルールの習得(32.91%)、他者との交流/コミュニケーション(22.71%)、スポーツ(17.72%)、生活習慣の形成(15.19%)、楽しめる活動(10.13%)、学習(2.53%)、地域交流(0.38%)。


図5−2a 卒業後の生活を想定した取り組み(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果5b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎における卒業後のグループホームや一人暮らしでの余暇を想定した取り組みについて、項目とその割合は以下の通りである(図5-2b)。取り組みは多い順に、興味関心を拡げる活動(71.43%)、外出/買い物(57.14%)、他者との交流/コミュニケーション(33.33%)、生活習慣の形成、マナー・ルールの習得(28.57%)、調理実習(23.81%)、生活実習室の利用、楽しめる活動(14.29%)、スポーツ(9.52%)。


図5−2b 卒業後の生活を想定した取り組み(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果6:子どもの余暇について学校と情報交換しているか
 本質問の回答には各寄宿舎内で違いがみられたので、寄宿舎ではなく個人の集計結果とした。
 児童生徒の余暇についての学校との情報交換・連携について、情報交換・連携共にしている」が108名(11.73%)、「情報交換のみしている」が576 名(62.54%)、「情報交換・連携共にしていない」が103名(11.78%)、無回答が134 名(14.55%)であった(図6-1)。


図6−1 学校との余暇についての情報交換・連携の有無
調査結果6a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎における児童生徒の余暇についての学校との情報交換・連携について、「情報交換・連携共にしている」が90 名(12.64%)、「情報交換のみしている」が540 名(63.2%)、「情報交換・連携共にしていない」が73 名(10.25%)、無回答が99 名(12.64%)であった(図6-2a)。学校との連携の例として、「言葉や表現方法の統一」、「関わり方の統一」、「学部職員と協力しての遊具作り」、「遊びの指導の活動を舍で取り入れる」、「宿題や日記など課題をだしてもらう」、「遊びを交えたSRC 歩行訓練」、「学舎間でのおもちゃの貸し借り」、「学校で金銭の勉強をして舍で買い物学習をするといった関連した学習」、「学校施設の借用」、「肥満傾向の子どもに対する運動指導」、「行事への参加」、「携帯やインターネットの使用など約束事・ルールの統一」、「学舎間で同じ活動をしない」、「同じ目的を持った遊びを仕組む」、「自立訓練室で生活訓練をするとき助言をもらう」があった。また、情報交換の方法として、口頭(引き継ぎの際)、連絡帳、懇談会、情報交換会があった。


図6-2a 学校との余暇についての情報交換・連携の有無(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果6b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎における児童生徒の余暇についての学校との情報交換・連携について,「情報交換・連携共にしている」が18 名(8.61%)、「情報交換のみしている」が126 名(60.29%)、「情報交換・連携共にしていない」が30 名(14.35%)、「無回答」が35 名(35%)であった(図6-2b)。学校との連携の例として、「卒業後を想定した店での買い物」、「後見人制度を見越した出納帳の記入の指導」、「個別の支援計画に沿った役割分担」、「宿題など課題をだしてもらう」、「学舎間での物の貸し借り」、「行事への参加」、「興味関心を拡げる活動の提供」、「部活の夜練習」、「縄跳びをしたらスタンプが貰え、たまればDVD を借りられる取り組み」「よさこいの練習」、「手の器用さを高めるため学舎で関連した活動に取り組む」、「絵カードなど関わり方の統一」、「体育館で活動するとき一緒に遊んでもらう」、「学校での活動を寄宿舎でも取り入れる」があった。また、情報交換の方法として、口頭(引き継ぎの際)、連絡帳、懇談会、情報交換会があった。


図6-2b 学校との余暇についての情報交換・連携の有無(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果7:保護者からの家庭での余暇についての情報を得ているか
 寄宿舎において、家庭での余暇に関する情報収集の有無について、「得ている」が893 名(96.96%)、「得ていない」が3 名(0.33%)、無回答が25 名(2.71%)であった(図7-1)。


図7−1 家庭での余暇について保護者から情報を得ているか
調査結果7a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎において、家庭での余暇に関する情報収集の有無について、「得ている」が691(97.05%)、「得ていない」が2 名(0.28%)、無回答が19 名(2.67%)であった(図7-2a)。情報を得る手段として、連絡帳の使用、子どもの帰舍帰省時の引き継ぎ、懇談、家庭訪問、入舎時の聞き取り、子ども本人からの聞き取りがあった。


図7-2a 家庭での余暇について保護者から情報を得ているか(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果7b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎において、家庭での余暇に関する情報収集の有無について、「得ている」が203 名(96.65%)、「得
ていない」が1 名(0.49%)、無回答が6 名(2.87%)であった(図7-2b)。情報を得る手段として、連絡帳の使用、子どもの帰舍帰省時の引き継ぎ、懇談、家庭訪問、入舎時の聞き取り、子ども本人からの聞き取りがあった。


図7-2b 家庭での余暇について保護者から情報を得ているか(高等部のみ設置している寄宿舎)
調査結果8:保護者に寄宿舎での余暇について伝えているか
 寄宿舎において、舍での余暇を伝えているか否かについて、「伝えている」が893 名(96.96%)、「伝えていない」が4 名(0.43%)、無回答が24 名(2.61%)であった(図8-1)。


図8−1 寄宿舎での子どもの余暇を家庭に伝えているか
調査結果8a:小学部を併置している寄宿舎
 小学部を併置している寄宿舎において、舍での余暇を伝えているか否かについて、「伝えている」が692 名(97.33%)、「伝えていない」が1 名(0.14%)、無回答が19 名(2.67%)であった(図8-2a)。情報を伝える手段として、連絡帳の使用、子どもの帰舍帰省時の引き継ぎ、懇談、家庭訪問、たより、新聞、HP、電話、手紙があった。


図8−2a 寄宿舎での子どもの余暇を家庭に伝えているか(小学部を併置している寄宿舎)
調査結果8b:高等部のみ設置している寄宿舎
 高等部のみ設置している寄宿舎において、舍での余暇を伝えているか否かについて、「伝えている」が201 名(96.17%)、「伝えていない」が3 名(1.44%)、無回答が5 名(2.39%)であった(図8-2b)。情報を伝える手段として、連絡帳の使用、子どもの帰舍帰省時の引き継ぎ、懇談、家庭訪問、たより、新聞、HP、電話、手紙があった。


図8−2b 寄宿舎での子どもの余暇を家庭に伝えているか(高等部のみ設置している寄宿舎)